「ギャン理論」という言葉があります。投資相場において使われる法則を指すこの言葉、バイナリーオプションでも有効活用が可能です。
そこでここでは、ギャン理論についての概要をまとめると共に「ギャン理論をバイナリーオプションで活用するにはどうしたらいいか?」についてご紹介していきます。
ギャン理論を通して相場との向き合い方を考え、より利益を上げられるトレーダーへと進化しましょう。


バイナリーオプションをやるうえで覚えておきたい「ギャン理論」とは?
ギャン理論は、アメリカの投資家であるウィリアム・D・ギャン氏が自身の投資経験を活かして相場理論としてまとめた28の法則のことをいいます。
現代でも「価値ある28のルール」と呼ばれ投資家のバイブルとされていることから、相場に関して勉強していると多くのところでギャン理論というキーワードを耳にすることになります。
ギャン理論はもともとバイナリーオプション向けに作られた理論ではありません。元々は株式市場を対象に語られた理論です。しかし、その多くは投資の本質的なもので、手法というより考え方や心得に近いものがあります。
そのため、バイナリーオプションにも応用可能です。特に資金管理やエントリーに関するルールづくりや見直しに役立つといって良いでしょう。
さらにギャン氏は独自のテクニカル分析法を考案しており、その名がついた指標は今もなお活用されています。こちらもバイナリーオプションに流用可能なので、覚えておいて損はないでしょう。
バイナリーオプションに使える!ギャン理論28のルール
バイナリーオプションでも使えるギャン理論の28のルールをご紹介します。
ここでは、まずギャン理論28のルールを概略し、プロトレーダーの視点からバイナリー流にアレンジしてそれぞれの理論をわかりやすく解説していきますので確認してください。
- 投資に使う資金は10等分し、1回に運用する金額は10分の1にする
- 損失の限界を設け、ストップロスを必ず置く
- 資金運用はルール1を守り、過剰な売買をしない
- 利益確定後は利食いできる位置までストップロスのラインを変更する
- トレンドに従順であること。確信のない時はポジションを持たない
- 迷った時は手仕舞いしてポジションを持たない
- 活発な市場で取引をする
- リスク分散のため、資金の集中は避ける
- 指値ではなく、成行での売買を行う
- 確実な理由も無いまま手仕舞いをしない
- 実現した利益は別勘定とする
- 小さな利益を狙って売買しない
- ナンピン買いは禁止してストップロスを守る
- 待ちきれずにポジションを持ったり売ったりするのは避ける
- 小さな儲けと大きな損失は避ける
- ストップロスのキャンセルは絶対にしてはいけない
- 過剰に売買するのは避ける
- ロングとショートの両方を活用する
- 値頃感で売買しない
- 買い増しや売り増しのタイミングには注意が必要
- 買い増し、売り増しは強いトレンドがある時にする
- リスクヘッジのための両建てはしない
- ポジションを変えるには明確な理由を持つ
- 利益を大きく伸ばした後は余計な売買はしない
- 相場の天底を推測しない
- 他人の言質による判断での売買はしない
- 損切後の取引量は減らす
- 不適切なポジションメークや手仕舞いをしない
投資に使う資金は10等分し、1回に運用する金額は10分の1にすること
まず、ギャン理論ルール1については、分かりやすく言えば「一発勝負は避けるべし」ということになります。こちらはギャンブルの世界で言われることもありますが、ギャン理論に基づき投資の世界全般でも流用可能な考え方です。
売買に用いるための総資産を10等分、1回の売買における損失総資金の10分の1にすることがこちらのルールの本質的な部分となります。大金を仕掛けないのがプロの運用ルールといえるでしょう。
一度に大きく増やそうとせず、着実にコツコツと利益を積み重ねていくイメージで投資に臨みたいところです。
資金配分のルールを徹底して守る
ルール3より「資金配分のルールを徹底して守る」という考え方もバイナリーオプションにおいては重要です。
連勝して利益を得られると「自分はトレーダーとして優れている」と思ってしまうかもしれません。場合によっては「自分の考え方やテクニカル分析は完璧だから、勝率も高く何度やっても負けない無敵の存在だ!」と錯覚することすらあります。
特にバイナリーオプションや投資の初心者はこのような精神状態になりがちですが、相場はそう甘いものではありません。
しかし、そこで初心者がやってしまいがちなのが、さらに大きな利益を得ようとして上述の資金管理のルールを破って大勝負に出ようとする…というパターンです。
投資は「いかなるときも資金管理のルールを守れるか」が非常に重要となります。これを忘れてしまうとトレードの持続性が失われてしまうので、慎重なスタイルを貫けるようにしていきましょう。
トレンドに従順であること
ルール5より「トレンドには従順であれ」というルールもバイナリーオプションに流用可能です。
ギャン氏は順張りのトレンドフォローを推奨しています。バイナリーに置き換えるなら、以下のような考え方にカスタマイズできるでしょう。
トレンドに沿った順張りをメインにして、逆張りは慎重に。
トレンドが読み切れないときは無理にエントリーしない。
バイナリーオプションはFXやその他の投資と違って判定時刻の到来が短いのが特徴です。そのため時には逆張りも必要ですが、原則的にはトレンドや大きな流れに逆らわないようにエントリーしていくのが重要です。
迷った時はエントリーしない
ルール6の「迷った時はポジションは持たない」というのは、バイナリーオプションに置き換えれば「迷った時にはエントリーしない」となります。
早く利益を出したいと思うと「いかなるときもエントリーしなくてはならない」と考えてしまいがちですが、実はこれは間違いです。
「休むも相場」という相場格言があるように、時には見送ることもムダな損失を抑えることにつながるのです。上がるか下がるかだけでなく「エントリーしない」という選択肢を忘れずにいましょう。
ちなみにプロのトレーダーは、常日頃から何でもかんでもエントリーするわけではありません。迷った時はエントリーをしないで無駄打ちをしない。このあたりの考え方ができてこそプロのトレーダーになれるのです。
もみ合いは避けて活発な市場で取引をする
ルール7から学べることは、バイナリーオプションでは活発な市場、つまり「ボラティリティの高い通貨ペアで取引をする」のが重要ということです。
例えばボラティリティの高い通貨ペアであっても時間帯や時期によっては、値動きが少なく相場の波が起こりづらいケースがあります。
このようなタイミングでは、無理にエントリーしない方が賢明でしょう。値動きが少なければ、エントリーしても結果が出にくいからです。
また、通貨ペアにはそれぞれボラティリティが活発な時期など特徴・共通点のようなものがあります。こちらもあわせて確認しておきましょう。

リスク分散のため資金の集中は避ける
ルール8より学べることは「バイナリーオプションでも分散投資は有効である」ということです。
「卵は一つの籠に盛るな」という有名な相場格言がありますが、資金を一つの所に集中してしまうと、万が一の際に全てを失ってしまうことになりかねません。
これは、銀行預金でも同じことが言えます。今から20年ほど前、日本国内で銀行の倒産という大きな出来事がありました。この時も、預金を全て一つの銀行に集中していたことで多くの損失を被った人たちがいました。
このことからもわかるように、バイナリーオプションでも分散投資の考え方は極めて有効です。
バイナリーオプションでリスクを分散する方法としては、
同じ通貨ペアを選ばない
取引する時間帯を変える
取引業者を分ける
などが挙げられます。
実現した利益は別勘定とする
ルール11より「実現した利益は現実の金として扱う」という考え方ができます。
取引の結果として得た黒字分は一旦出金して「現実の金」として扱うと「稼いだ」という実感が得られます。
画面の向こうで見られる数字の動きだけでは、現実にお金を稼いだという意識を得るのが難しくなります。ともすると、数字の動きだけなのでついついお金ということを忘れて無謀なエントリーをしてしまうことがあります。
これは人間の考え方や認知の部分から考えても仕方のないことで、まずは何よりも「一度現金を拝んでおく」のが重要です。その結果、目の前の利益だけを追い求めてむやみにエントリーするような無謀な行動を避けられるようになります。
また、稼いだお金を元手として再投資することで複利効果を高めるという考え方もあります。
ナンピンはしない

ルール13より、バイナリーオプションで「ナンピン」をするのはやめておきましょう。
ナンピンとは
株式やFXといった商品で損を小さくするために使われる手法です。保有している銘柄の価格が下がったときに、さらに買い増しをして平均購入単価を下げることをいいます。
バイナリーオプションでのナンピンは「負けている方向にもう一度エントリーする」ことで負けを取り戻そうというものです。
経験されたことがある方ならお分かりかと思いますが、この方法はバイナリーオプション取引において状況を好転させることはまずないと言ってよいでしょう。おそらく2連敗するのが関の山ではないでしょうか。
無論、うまくいかないとさらに損をすることになるため、積極的にやるべき手法ではありません。
判断を焦らない
ルール14より、判断を焦ってはいけません。
投資判断に感情が伴うと、悪影響しかありません。バイナリーオプションの場合、根拠もないまま感情に流されてエントリーしても失敗する可能性が高くなるだけなのです。
負けが続いて焦ることもあるかもしれませんが、冷静な気持ちで明確な根拠を見つけてからエントリーするのが大事です。
小さな儲けと大きな損失は避ける
ルール15より、負けるタイミングが必ず訪れることを意識しましょう。
仮にプロのトレーダーであっても、負けるタイミングは必ず訪れるもの。全戦全勝のトレーダーなど存在しません。
目先の利益を追い求めることに躍起になるだけでなく「損小利大」を心がけてリスクヘッジをしつつ、着実に利益を積み上げることが最終的に大きな利益につながるのです。
両建てはしない
ルール22より「両建てはしない」という原則ですが、こちらもバイナリーオプションで同じことが言えます。
バイナリーオプションにおける両建てとは、上下二方向のエントリーを同時に行う手法です。リスクヘッジに使うという考え方もありますが、両建てだけでは稼げません。
また、バイナリーオプションに関して言えば両建てを禁止している業者が多く、発覚した場合は口座凍結のおそれもあります。
せっかく利益を得られても、それを引き出せないのでは元も子もありません。もし両建てを戦略的に使うという場合は、両建てを認めている業者で取引を行うことが大前提です。
なお、両建てについては以下の記事で詳しく解説しています。

利益を大きく伸ばした後は余計な売買はしない
ルール24は、平たく言えば「稼いだあとは余計なことをしない」ということです。
確率論で言えば連勝するほど負ける可能性も高くなるのは自明の理。また、勝っているという油断から相場分析も甘くなるものです。
調子に乗らず、いったん休みをはさんで冷静に相場を見られるようにするのが肝要です。
天底に関する希望的観測は持たない
ルール25より、相場の天底に関する希望的観測を持ってはなりません。
相場の天底については、自分の都合の良いようにとらえないのが重要です。相場は「底だと思ったら底なし沼、天井だと思ったら青天井」ということも往々にしてあるものです。
希望的観測を持ちすぎてしまうと、投資判断やエントリーポイントの判断を間違えてしまうことにも繋がりかねませんので注意が必要です。
プロはある一定の範囲で天井や底について予測を立てることはありますが、希望的観測に基づいて「まあ、このくらいにはなるだろうから適当にエントリーしておくか」といった曖昧な希望的観測でエントリーをすることはまずありません。その場の状況に応じて的確な判断をしてこそ、勝ち上がっていけるトレーダーになれます。
他人の言質による判断で売買はしない
ルール26についてはやや語弊があるため、少し解説が必要な考え方です。
トレーダーとして自分より優れている(成果をあげている)人を除いて、他人の意見に流されてトレードするのはよくないというのがこの考え方の本質です。
バイナリーオプションのトレード手法に関する情報はネットで調べれば簡単に見つかりますが、残念ながら信憑性に欠けるものも多いのが現状です。市場のうわさや掲示板・SNSなどの話にふりまわされず、自分の判断でトレードしましょう。
その一方で、トレーダーとして自分より優れていたり成果を上げている人の情報はきちんと収集して「自らに入ってきた情報を取捨選択できるようになる」というのも押さえておきたい重要なポイントとなります。
ネットの情報とうまく付き合うなら「他の人の体験談から学ぶ」というスタンスがベターでしょう。このあたりに関しては以下の記事でも詳しく紹介しているので、併せて確認してみてください。

損失が出た後の取引量は減らす
ルール27は「負けた後の取引量を減らす」という考え方です。
人は損失を出すことを極端に嫌う性質(損失回避性)があります。トレードで負けた状態で引き下がる、つまり損失が確定すると「何とか取り返そう」という気持ちがはたらき、掛金を引き上げたりハイリスクなエントリーをしてしまうのです。
これでは損失を大きくするだけなので、冷静さを持って一度引くべきときは引きましょう。
バイナリーオプションに使える!ギャン理論のテクニカル分析
ここからは、バイナリーオプションに流用が可能なギャン理論のテクニカル分析についてご紹介します。
冒頭で触れたとおり、ギャン氏は「28の運用ルール」のみならず様々な相場分析法を考案しています。中でもバイナリーオプションに応用しやすいのは以下の3つです。
ギャンライン
(引用元:FXブロードネット)
上図をご覧いただくとわかるように、45度にラインが引けています。これは「ギャンライン(線)」と呼ばれていて、トレンドを確認するために利用できます。
この角度よりも高い水準で相場が推移している場合、つまりローソク足がラインよりも上にある場合は強いトレンドが発生中であると考えられます。
反対に、相場の動き方がこのギャンラインを下回った場合はトレンドが収束した、あるいはまもなく収束する秒読みに入ったと考えることができます。
ギャンファン
(引用元:FXブロードネット)
ギャンラインよりもラインの本数が多く、上図のようになるのが「ギャンファン(扇)」です。こちらもギャンラインと同様に、相場のトレンドを判断するときに使います。
45°のラインを上回った場合:トレンドが強くなっている
45°のラインを下回った場合:トレンドが弱くなっている
また、ギャンファンは相場が何らかの事情で暴騰暴落した際には複数のラインで相場を予測することができます。
ギャングリッド
(引用元:FXブロードネット)
「ギャングリッド(格子)」は、ご覧の通り格子模様のようなグリッドが特徴的です。こちらは複数のギャンラインを組み合わせて格子状にすることにより、さらに予測を立てやすくするといった使われ方をします。
ちなみに、使い方としてはギャンラインと同様に、グリットをローソク足が抜けたらトレンドの終了または収束、という考え方で使います。
ギャン理論から学ぶバイナリーオプションの取り組み方
ギャン理論を理解したうえで、あらためてバイナリーオプションの取り組み方・向き合い方について考えてみましょう。
さらに、ギャン理論で学んだことをもとに「オリジナルの取引ルールをつくること」についても解説します。
オリジナルのマイルールをつくろう
継続的にバイナリーオプションに取り組むのであれば、資金の運用やエントリーに関する自分なりのルールを作りましょう。
「掛金は取引1回につき〇円までにする」
「〇円以上負けたらその日の取引はやめる」
など、こうしたルールをひたすら守り通すことで、ムダな損失を抑えて着実に利益を得ることができます。
特にバイナリーオプション初心者の方は、まず最初はギャン理論をもとにしたルールで取引を行い、その中で見つけた共通項や成功体験をもとにマイルールを作る、といった使い方が良いでしょう。
相場分析を行ったうえでエントリーしよう
勝って利益を得るには、根拠に基づいたエントリーが必要です。そのためにはギャン氏の考案したラインなども使ってテクニカル分析を行い、相場の現状と未来を予想することが肝要です。
また、判断に悩んだときはエントリーを見送るという考え方も、ギャン理論から学べる大事な要素となります。
バイナリーオプションは極論を言ってしまえば「上がるか下がるか」の二択勝負なのですが、そこに行き着くまでに多くの判断や相場分析を行う必要があります。ギャンブルではなく投資としてバイナリーオプションに取り組むなら、相場分析は「必修科目」と言っても過言ではありません。
バイナリーオプションで活用できるテクニカル分析法についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、併せて確認しておきましょう。

メンタルをコントロールできるようになろう
ギャン理論のいくつかのルールが教えてくれているように、資金やエントリーのルールを実践するには、メンタル面のコントロールが必要です。負けても熱くなったり焦ったりせずいつも冷静に取引に挑めるように心がけましょう。
特に、今までの経験上ギャンブルでついつい熱くなってしまう経験をお持ちの方や「一旦大きく出たら後には引けない」という自覚がある方は、バイナリーオプション取引でもいざという時にメンタルをうまくコントロールすることができず、負けを増やしてしまう可能性があります。
負けた時には悔しくなる気持ちもよくわかりますが、まずは冷静に一旦引くことも踏まえて、自分にブレーキをかけられるようにトレーニングしていきましょう。
ギャン理論を知るプロから学ぼう
バイナリーオプションをはじめたばかりの頃はどうしても目先の勝ち負けや利益だけにこだわって無謀なエントリーをしてしまいがちです。
バイナリーオプションで稼ぎ続けるには、メンタルの安定を維持しつつ運用ルールを守ることが大事ですが、これは意外に難しいことでもあります。
テクニカルな部分は独学でマスターできても、考え方やメンタル、そして心の持ちようを自分一人で学ぶのは困難です。
独学でマスターしようとすると、心理学や脳機能学を学ぶなど様々な部分で追加で勉強する必要があります。それも、心理学で言えば認知心理学や行動心理学など、細分化された分野まで手を広げなければなりません。
しかし、ギャン理論をはじめとした投資に対する心構えや考え方をもっと効率的に学ぶ方法があります。それは「すでに実践できているプロの取り組み方を学ぶ」ことです。
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まとめ
バイナリーオプションでもギャン理論は流用可能です。むしろ、ギャン理論から学べる多くのことはバイナリーオプションで大いに役に立つと言って良いでしょう。
より着実に利益を上げられるトレーダーになるためにも、ギャン理論はぜひ押さえておいてください。